足がつる、いわゆる「こむら返り」の経験は誰でもあると思います。
運動時だけではなく、就寝中に突然、足がつった…驚きと痛みで目が覚めることがありますが、
おさまるのをひたすら待つくらいしかできないのが辛いですよね。
ではなぜ足がつるのか、そのメカニズムをお伝えします。
筋肉には、過剰に伸びたり縮んだりしないようブレーキをかけるセンサーが備わっています。
伸びすぎを防ぐのが筋繊維の中の筋紡錘(きんぼうすい)で、
筋肉を引き伸ばされると縮めと指令を出します。
一方、腱の中の腱紡錘(けんぼうすい)は、筋肉が縮みすぎると弛緩させる指令を出します。
通常はこの筋紡錘と腱紡錘が働き、バランスをとっていますが、
腱紡錘の働きが鈍くなると筋肉が収縮し続け、足がつってしまうのです。
足がつる主な原因は電解質の異常です。
電解質とはマグネシウムやカルシウム、ナトリウム、カリウムなど水に溶けると
電気を通すミネラルなどの物質で神経が情報のやり取りをするときに使われます。
特に筋肉の収縮の調整にかかわるのがマグネシウムとカルシウム。
不足すると神経伝達に支障が生じ、腱紡錘の働きも鈍くなり足がつるのです。
加齢や疲労、脱水、冷えなどによってもミネラルバランスはくずれ、同じ仕組みで足がつります。
就寝中に足をつるのはなぜ?
寝ているときは腱紡錘の働きが低下しますが、筋肉が疲労していると筋紡錘も腱紡錘も過敏な状態になり、
さらに誤作動を起こりやすくなります。
それに加えて睡眠中は汗をかき、ミネラルバランスが崩れやすいうえ、
布団から足が出ていたりして足が冷えると、血流が滞って電解質が運ばれにくくなり、これも足がつる原因になります。
加齢とともにつりやすくなる?
加齢とともに睡眠時の足のつりは増える傾向が。
理由は、加齢によって運動量が減り、筋肉量が減少することで血行が低下し、筋肉の反応がうまく調節できなくなり、足がつりやすくなります。
さらに加齢による冷えや脱水傾向といったことも重なります。
足をつったときの対処法
足がつって困った時は、収縮した筋肉を伸ばすようにしましょう。
つった足を前に伸ばし、両手でつま先をつかんで身体のほうへゆっくりと引っ張ります。
ゆっくりと深呼吸してリラックスした状態で行うのがポイントです!!
足がつるのを予防するには
1.ミネラルを意識的に摂る
ミネラルであるマグネシウムやカルシウムは 筋肉の収縮や神経の伝達機能に関連する大切な栄養素です。
足をつってしまう方の原因で最も多いのがこのミネラル不足です。
マグネシウムは、大豆や納豆などの豆類、アーモンドなどのナッツ類に多く含まれています。
カルシウムは、牛乳やチーズなどの乳製品、小魚や干しエビ、牡蠣などのに豊富に含まれています。
一般的に、カルシウムとマグネシウムの摂取量の目安は2:1のバランスが良いとされていますのでバランスを意識して偏らないようにしましょう。
食事の改善が難しい方にはまとめて摂れるサプリメントを上手に使いながら栄養バランスを取りましょう。
2.ストレッチをする
足の筋肉をほぐすには、ふくろはぎのストレッチがおすすめです。
ふくろはぎのストレッチのやり方は、立った状態で片足を後ろへ引き、前に出している方の膝を曲げていきます。
それでも改善しなければ、ふくろはぎをマッサージしたり、ホットタオルなどで温めるのもおすすめです。
3.水分をとる
水分をたくさん取ってください。
特に寝る前にコップ一杯または、コップ半分の水を飲んでください。
寝る前は、夜中寝ているときにトイレに行きたくないとどうしても水分を控えてしまいがちです。
ただ寝ている間も汗をかくので身体の中は水分が不足してしまいます。
寝る前にお水を飲むことで足をつることを防ぐことができます。
4.入浴する
お風呂のお湯で身体を温めて筋肉をほぐしましょう。
入浴できないときは足湯だけでも効果があります。
是非試してみてくださいね。